Japanische Klassiker mit Furigana
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きんせいかいじんでん
近世快人伝
夢野 久作
Lesen Sie 近世快人伝 (きんせいかいじんでん) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 79.469 Zeichen · 157 Bildschirme
八百屋の人参、牛蒡え――」
「踊るな馬鹿!」
「アーメン、ソーメン、トコロテン。スッテンテレツク天狗の面か。アハハハハ。鶴亀鶴亀」
以て当時の光景を察すべしである。
而も、こうした儀式が済んだ後牧師等が引上げると、一座が急にシーンとなった。後には可憐な母親と娘が仁三郎の枕許に坐ってシクシクと泣くばかりになった。
その時に湊屋仁三郎は、ホンの少しばかり腫れぼったい目を開いて、左右を見た。下座に居流れていた市場連中を見て、泣くようにシカめた顔で笑って見せた。
「何チウ妙なモンヤ」
一同が腹をかかえて笑い転げたというが、そうしたサ中にも仁三郎一流のヒョウキンな批判を忘れないところが正に古今独歩と云うべきであろう。
ところが話は、未だ済んでいない。仁三郎の珍最期はこれからである。しかも、仁三郎が完全に呼吸を引取ったアトの事で、御本尊の仁三郎のお陀仏自身にすら思い付かない……しかも仁三郎一流の専売特許式珍劇がオッ初まって、オール博多の人口に膾炙する事になったのだから痛快中の痛快事である。
その仁三郎が係医の予言の通り結婚後キッチリ十日目に死んだ。
もちろんその時には、何の変哲もなかった。