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Japanische Klassiker mit Furigana

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きんせいかいじんでん

近世快人伝

夢野 久作

Lesen Sie 近世快人伝 (きんせいかいじんでん) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 79.469 Zeichen · 157 Bildschirme

Aozora Bunko

生蕃征伐に行った時、大勢の生蕃を珠数つなぎに生捕って山又山を越えて連れて帰る途中で、面倒臭くなると斬ってしまう事が度々であった。あの時ぐらい首を斬った事はなかったが、ワシの刀は一度も研がないまま始終切味が変らんじゃった。

生蕃という奴は学者の話によると、日本人の先祖という事じゃが、ワシもつくづくそう思うたなあ。生蕃が先祖なら恥かしいドコロではない。日本人の先祖にしては勿体ない位、立派な奴どもじゃ。彼奴等は、戦争に負けた時が、死んだ時という覚悟を女子供の端くれまでもチャンと持っているので、生きたまま捕虜にされると何とのう不愉快な、理窟のわからんような面付きをしておった。彼奴等は白旗を揚げて降参するなどいう毛唐流の武士道を全く知らぬらしいので、息の根の止まるまで喰い付いて来よったのには閉口したよ。そいつを抵抗出来ぬように縛り上げて珠数つなぎにして帰ると、日本人は賢い。首にして持って帰るのが重たいためにこうするらしい。俺達は自分の首を運ぶ人夫に使われているのだ……と云うておったそうじゃが、これにはワシも赤面したのう。途中で山道の谷合いに望んだ処に来ると、ここで斬るのじゃないかという面付で、先に立っている奴が白い歯を剥き出して冷笑しいしい、チラリチラリとワシの顔を振り返りおったのには顔負けがしたよ。