Japanische Klassiker mit Furigana
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きんがんげいしゃとめいきゅうじけん
近眼芸妓と迷宮事件
夢野 久作
Lesen Sie 近眼芸妓と迷宮事件 (きんがんげいしゃとめいきゅうじけん) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.490 Zeichen · 23 Bildschirme
ただその後の屍体解剖で、額にブチ込んだ兇器が厚さ一分位、推定一尺長さ以上の一直線の重たい物体であった。ちょうど鉈の背中みたようなものだった。……という事が判明しただけだったが、しかもこの鉈の背中という説明のし方が、アトから考えるとドウモ面白くなかったね。やはりこの事件を迷宮に逐い込んだ原因になっていると思うんだ。長さ一尺以上、厚さ一分位の、一直線の重たい品物というので、みんな寄って色々考えてみたが、前に鉈の背中という言葉を聞いてたもんだから、それ以外の品物をドウしても考え付かない。まさかソンナ大きな文鎮が在ろうとは思わないからねえ。一直線の重たい、手頃の金属板……文鎮……製図屋と直ぐに思い付く程、頭のいい奴は実際にはナカナカ居ないものなんだ。探偵小説にはザラに居るかも知れないがね。そこで直接の証拠物件が見当らないとなると今度は情況の証拠という段取りになるだろう。
金兵衛の女房、店の番頭、若い者なぞを、手を分けて調べてみると、金兵衛は昨日の夕方、夕飯を喰ってから、本郷の無尽講の計算に行って来ると云って、預っていた旧式の帳面と、九百円ばかりの金を店の金庫から取出して、イクラか這入った蟇口と一緒に懐中に入れた。