Japanische Klassiker mit Furigana
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きんがんげいしゃとめいきゅうじけん
近眼芸妓と迷宮事件
夢野 久作
Lesen Sie 近眼芸妓と迷宮事件 (きんがんげいしゃとめいきゅうじけん) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.490 Zeichen · 23 Bildschirme
見られた人間は、ちょっと惚れられているような感じを受ける事……アハハ。馬鹿にしちゃいけねえ。俺が自惚れた訳じゃねえんだ。誰にもそう思われたんだよ。
それよりも事件発生以来、毎日毎日警視庁の無能を新聞に敲かれながら、ジイッと辛棒して、こうした余計な事をジリジリと調べてまわる俺達の苦労が並大抵じゃなかった事だけは同情しておいてもらいたいね。新聞記者なんてものは、そんなところにはミジンも同情しないからね。読者を喜ばせるのが商売だから、むしろ「警視庁の無能曝露」とか「犯人の大成功」とか書きたい気持で、まだですかまだですかと様子を聞きに来るんだからウンザリしちまわあ。イヤな商売だよ。全く……。
ところが又、生憎な事にこの事件が、だんだんと新聞の註文に嵌まりそうになって来た。この筋を辿って行けばキット何かにブツカルに違いないという、俺一流のカンが当っていたかいなかったか、愛子には今まで一人の情夫らしいものも居ない。念のために今までのお客の中で、好いたらしい事を云い合った者は居ないか。チョット惚れでもいいから居ないかと聞いてみたが、愛子はただポカンとして頭を左右に振るばっかりだから、しまいにはこっちが負けてしまった。