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Japanische Klassiker mit Furigana

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たいほしゅぎしゃ

退歩主義者

坂口 安吾

Lesen Sie 退歩主義者 (たいほしゅぎしゃ) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.703 Zeichen · 20 Bildschirme

Aozora Bunko

新しいオヤジとオフクロは大変仲がよろしい。馬吉などは眼中にない。然し、ともかく浮世の義理によって、無給の奉公人としてコキ使う。馬吉は、アッパレなものだ、と新しいオヤジに敬服の念をいだいたが、慌てたのは新しいオヤジとオフクロであった。穴掘り作業の兵隊生活で、どういう鍛錬を経てきたのか明かでないが、馬吉の食慾が凄い。商売物だから、隠すわけに行かない。二六時中、監視を怠らぬというわけにも行かない。馬吉は遠慮なく手を突ッ込んで、いつのまにやらゴッソリ食い減らしてしまうのである。

買い出しにやれば、買った物を食い減らしてくるとか、支那ソバを五杯食ってトウモロコシを十本がとこ噛ってくるとか、それで当人は大いに自粛しているつもりなのである。

「ほんとはトンカツが食いたかったんだけど、あいつは高いからさ。ずいぶん我慢しちゃった」

というグアイである。

「このゴクツブシめ。時世というものを考えてみやがれ。配給というものがあって、政府、国民、一身同体、敗戦の苦しみてえことを知らねえのか。バチアタリめ」

「アレ。心得ているクセにムリなこといってるよ。配給じゃ生きられねえから、ここの商売がもってるくせに、いけねえなア。