Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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とじょう

途上

谷崎 潤一郎

Lesen Sie 途上 (とじょう) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 16.060 Zeichen · 32 Bildschirme

Aozora Bunko

―――そうです、そうです、それからまだこんなこともあったじゃありませんか、奥さんが乗合自動車で新橋から須田町へおいでになる途中で、その自動車が電車と衝突して、すんでのことで………」

「ちょっと、ちょっとお待ち下さい。僕はさっきからあなたの探偵眼には少なからず敬服していますが、一体何の必要があって、いかなる方法でそんなことをお調べになったのでしょう」

「いや、別に必要があった訳じゃないんですがね、僕はどうも探偵癖があり過ぎるもんだから、つい余計なことまで調べ上げて人を驚かしてみたくなるんですよ。自分でも悪い癖だと思っていますが、なかなか止められないんです。今じきに本題へ這入りますから、まあもう少し辛抱して聞いて下さい。―――で、あの時奥さんは、自動車の窓が壊れたので、ガラスの破片で額へ怪我をなさいましたね」

「そうです。しかし筆子は割りに呑気な女でしたから、そんなにビックリしてもいませんでしたよ。それに、怪我と云ってもほんの擦り傷でしたから」

「ですが、あの衝突事件に就いては、僕が思うのにあなたも多少責任がある訳です」

「なぜ?」

「なぜと云って、奥さんが乗合自動車へお乗りになったのは、あなたが電車へ乗るな、乗合自動車で行けとお云いつけになったからでしょう」