Japanische Klassiker mit Furigana
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れんかんき
連環記
幸田 露伴
Lesen Sie 連環記 (れんかんき) von 幸田 露伴 (こうだろはん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 49.281 Zeichen · 95 Bildschirme
世間では内記の聖と呼んだ。在俗の間すら礼仏誦経に身心を打込んだのであるから、寂心となってからは、愈々精神を抖して、問法作善に油断も無かった。伝には、諸国を経歴して広く仏事を作した、とあるが、別に行脚の苦修談などは伝えられていない。ただ出家して後わずかに三年目には、自分に身を投げかけて来た者を済度して寂照という名を与えた。此の寂照は後に源信の為に宋に使したもので、寂心と源信とはもとより菩提の友であった。源信の方が寂心よりは少し年が劣って居たかも知らぬが、何にせよ幼きより叡山の慈慧に就いて励精刻苦して学び、顕密双修、行解並列の恐ろしい傑物であった。此の源信と寂心との間の一寸面白い談は、今其の出処を確記せぬが、閑居之友であったか何だったか、何でも可なり古いもので見たと思うのである。記憶の間違だったら抹殺して貰わねばならぬが。
或時寂心は横川の慧心院を訪うた。院は寂然として人も無いようであった。他行であるか、禅定であるか、観法であるか、何かは知らぬが、互に日頃から、見ては宜からぬ、見られては宜からぬ如き行儀を互に有たぬ同士であるから、遠慮無く寂心は安詳にあちこちを見廻った。