Japanische Klassiker mit Furigana
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れんかんき
連環記
幸田 露伴
Lesen Sie 連環記 (れんかんき) von 幸田 露伴 (こうだろはん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 49.281 Zeichen · 95 Bildschirme
三河守定基は、まだ三十歳にもならないのに、三河守に任ぜられたことは、其父祖の功労によったことは勿論であるが、長男でもあらばこそ、次男の身を以て其処まで出世していたことは、一は其人物が英発して居って、そして学問詞才にも長け、向上心の強い、勇気のある、しかも二王の筆致を得ていたと後年になって支那の人にさえ称讃されたほどであるから、内に自から収め養うところの工夫にも切なる立派な人物、所謂捨てて置いても挺然として群を抜くの器量が有ったからであったろう。
此の定基が三十歳、人生はこれからという三十歳になるやならずに、浮世を思いきって、簪纓を抛ち棄て、耀ける家柄をも離れ、木の端、竹の片のような青道心になって、寂心の許に走り、其弟子となったのは、これも因縁成熟して其処に至ったのだと云えば、それまでであるが、保胤が長年の間、世路に彷徨して、道心の帰趨を抑えた後に、漸く暮年になって世を遁れ、仏に入ったとは異なって、別に一段の運命機縁にあやつられたものであった。定基は家柄なり、性分なりで、もとより学問文章に親んで、其の鋭い資質のまにまに日に日に進歩して居たが、豪快な気象もあった人のこととて合間合間には田猟馳聘をも事として鬱懐を開いて喜びとしていた。