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Japanische Klassiker mit Furigana

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ゆうどうえんぼく

遊動円木

葛西 善蔵

Lesen Sie 遊動円木 (ゆうどうえんぼく) von 葛西 善蔵 (かさいぜんぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.604 Zeichen · 6 Bildschirme

Aozora Bunko

実際驚異すべき鮮かさである。私にはたんにそれが女学校などで遊戯として習得した以上に、何か特別に習練を積んだものではないかと思われたほどに、それほどみごとなものであった。Tもさすがに呆気に取られたさまで、ぼんやり見やっていたが、敗けん気を出して浪子夫人のあとから鎖につかまって乗りだしてみたが二足と先きへは進めなかった。たちまち振り飛ばされるのである。が彼は躍起となって、その大きな身体を泳ぐような恰好して、飛びついては振り飛ばされ、飛びついては振り飛ばされながらも、勝ち誇った態度の浪子夫人に敗けまいと意気ごんだ。

「梅坊主! 梅坊主」

私はこう心の中に繰返して笑いをこらえていたが、ふっと笑えないようなある感じがはいってきて、私の心が暗くなった。

「禅骨! 禅骨!」

私は今度はこう口へ出して、ほめそやすように冗談らしく彼に声をかけたが、しかし私の心はやはり明るくならなかった。私たちみたいな人間に共通したある淋しい姿を見せられた気がして、――それは恋人にも妻にも理解さすることのできないような。……

浪子夫人はますます揚々とした態度で、大濤のように揺れる上を自在に行ったり来たりした。