Japanische Klassiker mit Furigana
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どうじょうじ(ひとまくげき)
道成寺(一幕劇)
郡 虎彦
Lesen Sie 道成寺(一幕劇) (どうじょうじ(ひとまくげき)) von 郡 虎彦 (こおりとらひこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.256 Zeichen · 30 Bildschirme
妙念は鬼女の顕われしころより再び※然としてたましいうつけ、依志子が最後の悶叫をも耳に入らざるさまにて、眼のいろえりたるがごとく、(観客の正面定まりなきあたりに据えて)たたずみてあり。風の音いよいよはげしく、このころより微かなるあか色ようように月夜の空ににじみ来たる。
ややありて最前の僧徒三人、上手の坂路より逃げまどえる哀れなる獣等のごとく走せ上り、依志子の仆れたるを見さらに驚けるさまなりしが怯えたる姿にて妙念の上手に立ち――
妙信 和尚様、大事でございます。怪しい火むらがお山を取り巻いて参りました。
妙海 風の勢いがはげしいので燃え上って来るのはすぐでございます、本門のところでも、山下の方にめらめらと焔が見えたと思いますうち、もう眼の前の空が真赤に映って来たのでございます。
妙信 所詮かなわぬまでも裏山の滝津の中へ身をひそめているより道はございませぬ、和尚様。大事でございます。
妙海 (いよいよいら立ちて)あの凄まじい風の勢いが、山上と山下から焔の波を渦まき返してあおり立てるのでございます。ほんとに手間を取ってはいられませぬ。あ、もうこんなに火の粉が飛んで参りました。