Japanische Klassiker mit Furigana
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どうじょうじ(ひとまくげき)
道成寺(一幕劇)
郡 虎彦
Lesen Sie 道成寺(一幕劇) (どうじょうじ(ひとまくげき)) von 郡 虎彦 (こおりとらひこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.256 Zeichen · 30 Bildschirme
。老僧様、私は不壊の知識を求めて上って来たのでございます。ゆうべも日高川からこっち誰にも人にあうことがなかったので、こんないまわしい山とは知らず、足元から崩れ落ちる真黒な山路も、物の怪のような岩の間を轟き流れる渓川も、慣れない身ながら恐れもなく、このような死人の息さえきこえぬ山奥で、金剛の道をきくばかりにほど遠い磯辺の家をも捨てて来たのだと思いながら、知恵のよろこびにもえ立ってひた上りに上って来たのでございます。それですのに私は、もう仔細も知らぬ呪いの網につつまれて、どのようにしても遁れることの出来ない身になったのでございましょうか。老僧様。
妙信 不愍なことだが草木までも呪われたこの山にはいったからは、もうどのようなことを願うても叶いはせぬ。仔細といってもやっぱりもとは邪婬の煩悩だが、もう二十年も昔になる、ちょうどこんな息の苦しい五月ごろの晩だった。思いをとげたい一心を欺かれた怨みから、清姫というようよう十四になった小娘が生きながら魔性の大蛇になって、この山へ男のあとを追って来たのだ。和尚のはからいに男を伏せてかくまったこの鐘よ、硫黄色の焔を吐きながらいく廻り巻くかと思ううち、鐘も男も鉛のようにどろどろ溶けてしまったわ。