Japanische Klassiker mit Furigana
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みちづれ
道連
豊島 与志雄
Lesen Sie 道連 (みちづれ) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.366 Zeichen · 37 Bildschirme
深い木立の影があたりを包んで、梢から洩れ落ちてるらしい点々とした月の光が、いくら眼を足許にばかり据えていても、真黒なものや仄白いものをちらちらと、眼瞼の縁の方へ押し込んで来た。そちらを見ればなお恐いし、見まいとすればなお不気味になって、音を立てずに出来るだけ早めてるつもりの足が、がくりがくりと宙を踏むような思いだった。
それでも漸く森を通りぬけ、ぱっと開けた畑地に明るい月の光を見て、ほっとして馳けるような心地で足を早めてる時、僕は蝋燭の火がじじじ……と燃えつきかけているのに気付いた。町を出る時新らしい一本の蝋燭をつけていて、それで大丈夫家に帰れると思ってたのに、そして実際帰れる筈だったのに、どうしたわけかもうそれが無くなりかけている。其処からは明るい田圃道ではあるけれど、前にも云った通り、やはり提灯の火がないと心細いのだ。僕は泣きたいような気持になって、遙か十町ばかり向うにこんもり茂ってる村の木立を、ちらりと上目がちに見やっておいて、出来るだけ足を早めて歩き出した。
すると、森の大きな真黒い影が……というほどはっきりしたものではなく、何かこう形態の知れない不気味な影が、同じ早さですぐ背後にくっついてくる。