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Japanische Klassiker mit Furigana

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とおのへ

遠野へ

水野 葉舟

Lesen Sie 遠野へ (とおのへ) von 水野 葉舟 (みずのようしゅう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 55.903 Zeichen · 117 Bildschirme

Aozora Bunko

かと思うと、二三年前に東京であった博覧会の錦絵などもある。かすかに賑やかな東京の呼吸がこの錦絵に通っているようだ。

自分は一順町をまわって異様な感じがした。教えられた従兄の下宿を捜して、置き手紙をして帰えって来た。

三

つぎの朝までも従兄は帰えらなかった。自分はつくづく前から知らせなかったのを悔いて、また使いを立てようかと思い迷った。

ところへ、その男が入って来た。

「どうします。」と、いきなり言った。

「さ、」と答えたが、自分は不快で堪らなかったから、知らぬ顔をしてやった。と、また黙って、まじまじ人の顔を見ていたが、やがて、急き立てるように、

「使いを出すなら、早く出しませんと、人がいなくなります。」と言う。

「よそう!」自分は言い切った。

「よしますか?」と、その男は自分の心持ちを覗おうとするように言った。

自分は堅く口をつぐんだ。そして心には充ち充ちた不愉快が、自然と人に逢えぬと言ううら悲しい心持ちに変わって行くのを覚えた。

で、無聊な、不愉快なその日も暮れた。

四

三日目の朝、自分は起きて、顔を洗って室に入ってくると、平生のように髪を分けた。