Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

じゃしゅうもん

邪宗門

芥川 竜之介

Lesen Sie 邪宗門 (じゃしゅうもん) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 40.184 Zeichen · 79 Bildschirme

Aozora Bunko

」

すると若殿様はまた元のように、冴々した御笑声で、

「いや、何とも申されぬ。現に延喜の御門の御代には、五条あたりの柿の梢に、七日の間天狗が御仏の形となって、白毫光を放ったとある。また仏眼寺の仁照阿闍梨を日毎に凌じに参ったのも、姿は女と見えたが実は天狗じゃ。」

「まあ、気味の悪い事を仰有います。」

御姫様は元より、二人の女房も、一度にこう云って、襲の袖を合せましたが、若殿様は、愈御酒機嫌の御顔を御和げになって、

「三千世界は元より広大無辺じゃ。僅ばかりの人間の智慧で、ないと申される事は一つもない。たとえばその沙門に化けた天狗が、この屋形の姫君に心を懸けて、ある夜ひそかに破風の空から、爪だらけの手をさしのべようも、全くない事じゃとは誰も云えぬ。が、――」と仰有りながら、ほとんど色も御変りにならないばかり、恐ろしげに御寄りそいになった御姫様の袿の背を、やさしく御さすりになりながら、

「が、まだその摩利信乃法師とやらは、幸い、姫君の姿さえ垣間見た事もないであろう。まず、それまでは魔道の恋が、成就する気づかいはよもあるまい。さればもうそのように、怖がられずとも大丈夫じゃ。