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Japanische Klassiker mit Furigana

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ごうすけほうし

郷介法師

国枝 史郎

Lesen Sie 郷介法師 (ごうすけほうし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.163 Zeichen · 21 Bildschirme

Aozora Bunko

原因は女だ!」

「ははあ女子でございますか」

「俺の娘月姫だ」

「月姫様?」と鸚鵡返したが、郷介の声は顫えていた。

「言語道断でございますな。……たしか治部殿は五十歳、月姫様はお十八、どうする意でございましょう?」

「治部は昨年妻を失した」

「ははあそれでは後妾などに?」

「うん」と直家は奥歯を噛み締め、

「主筋にあたるこの俺へ姫をくれえと申して参った」

「すぐにお断りなさいましたか」

「するとたちまち今度の謀叛だ」

「憎い男でございますな」

二人はちょっと黙り込んだ。春の夜嵐が吹いている。庭の花木にあたると見えて、サラサラサラサラと落花でもあろう、地を払う物の気勢がする。

「郷介」と直家は意味あり気に、

「其方は今年二十二歳、姫とはちょうど年恰好だ」

「殿、何を仰せられます」

郷介は眼瞼を紅くした。

「治部さえなくば月姫は、其方に嫁わせないものでもない」

「私は臣下でございます」

「秘蔵の臣下だ。疎かには思わぬ」

「忝けのう存じます」

「治部はどうしても生かして置けぬ」

「殿」と郷介は膝行り寄った。

「私、治部めを討ち取りましょう」

「娘月姫は其方のものだ」

「忝けのう存じます」

春昼の陽は暖かく光善寺の樓門を照らしていた。