Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ごうすけほうし

郷介法師

国枝 史郎

Lesen Sie 郷介法師 (ごうすけほうし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.163 Zeichen · 21 Bildschirme

Aozora Bunko

玄海はどうだ?」

「やはり弱気に過ぎまする」

「其方随意に選ぶがよい」

「殿のご愛馬将門栗毛を、拝借致しとう存じます」

「何、将門? ううむ将門か?」

最所治部は眼を顰めた。将門栗毛は治部にとっては生命に次いでの秘蔵の名馬で、誰にもこれ迄借したことはない。――随意に選べと云った手前、今さらしかし貸さないとは云えない。

「おおよかろう、将門をせめろ」

そこで将門は引き出された。丈高く肥え太り、鬣荒く尾筒長く、生月、磨墨、漢の赤兎目もこれまでであろうと思われるような、威風堂々たる逸物であったが、岡郷介は驚きもせずひらりとばかり跨るとタッタッタッタッと馬場を廻る。

「見事々々」と最所治部は思わず感嘆して声を掛けたが、途端に郷介一鞭くれると馬場の木柵を飛び越した。

「ワッハハハハ」と哄笑の声が郷介の口から迸ったが、

「最所殿、治部殿、最所治部め! 大馬鹿殿の迂濶者め、郷介これでお暇申す! 将門栗毛は引出物、拙者この儘頂戴致す。さりとてお礼は申さぬ意、口惜しく思わば取り返しめされ! これ迄明かせば浮田家の内情、あれは悉皆出鱈目じゃ。さて拙者はここを立ち退き船山城へ伺候致し須々木豊前殿へ仕官する所存、苦情があらば遠慮なく船山城の方へ申し越されい。