Japanische Klassiker mit Furigana
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とかいのなかのことう
都会の中の孤島
Lesen Sie 都会の中の孤島 (とかいのなかのことう) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.205 Zeichen · 27 Bildschirme
しかし、とても泥棒のように金廻りのよい右平のようにはいかなかった。そして右平とグズ弁の買って与える物だけでミヤ子の衣裳は事足りており、事実ミヤ子は自分の金で何かを買った形跡を殆ど認めることができなかった。
しかもミヤ子はタンスも持たないのだ。そして男たちの買って与えた着物も季節が変るといつの間にか見えなくなりミヤ子の屋根裏の寝室には万年床のほかには何物も見られなかった。
ミヤ子はよく寝る女だった。正体もなく、よく眠った。それはその部屋に盗まれて困るものが何一ツないことの証拠でもあろう。
「彼女の本当の部屋がどこかに在るんじゃないかな」
とグズ弁は先から考えていた。さもなければ、解釈がつかない。全ての品物はどこへ消えてしまうのだろう。彼女の貯金通帳を握っている陰の誰かが存在するはずだと考えたのである。
かねてこういう疑いをいだいていたから、グズ弁はミヤ子の昼の外出先を突きとめるために異様な執念をもって行動した。そして、それが中井のアパートであることを突きとめると、彼こそミヤ子のホンモノの情夫であるということを一気に理解したのであった。
すると彼は怖しいことに気がついた。