Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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さけみずく

酒みずく

山本 周五郎

Lesen Sie 酒みずく (さけみずく) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.665 Zeichen · 6 Bildschirme

Aozora Bunko

とは云わない。

「人間はいつ死ぬかわかりゃしないのに」と私は独りで呟く、「そんなにいそがしがってなんの得があるんだろう、みんなあんまり利巧じゃないな」

仕事に関係のある友人以外には会わないことにしている。演劇、映画、放送局の諸氏にも原則として会わない。これらの諸氏は私がどう抵抗しようと、あいそよく笑うだけで、やりたいと思いきめたものは必ずやってしまうのである。これでは会って酒を飲み、大いに語ることはお互いの時間つぶしにすぎないし、こちらは一杯くわされたような気分になるだけだからだ。自然、友人は仕事関係の若い人に限られるし、かれらは仕事のほうが面白いから、私のような下り坂になった作者に会うのは気ぶっせいなのだろう。そこで私はまたグラスをかさねるか、街へでかけるかするのである。

午後四時になると、かみさんが晩めしの支度をしにあらわれる。私は相当以上に酔っているし、依然として食欲はないが、わが伴侶のあらわれたことで勇ましくなり、原稿を片づけてまずビールをあけてもらう。本当の気持はそれどころではない、渋滞して動かない仕事、その仕上りを待ちかねている若い友、さらにその若い友のうしろで舌打ちをしている偉い人、その他もろもろの、印刷工場の植字さんの顔までが眼の前からはなれないのだ。