Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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さけもたべものも

酒も食べ物も

山本 周五郎

Lesen Sie 酒も食べ物も (さけもたべものも) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.845 Zeichen · 6 Bildschirme

Aozora Bunko

五つの年に袴着の式というのをやらされ、七つの年には切腹の作法をやらされたのです。小さな白装束に裃をつけて、三宝の上にたたんだ紙を敷き、その上に短刀と扇子がのせてあり、扇子のほうで切腹の型を実演したのであるが、そのときの印象がよほど強烈だったのでしょう、十四五歳になるまでしばしばそれでうなされた。なんでも楠木正成の夫人のような女の人が、白装束で髪をおすべらかしに結って現われ、私の前へ短刀をのせた三宝を突きつけながら、もうこれまでであるから腹を切って死ぬように、といったふうなことをすすめるのであった。言葉はこのとおりではなかったようだし、まったく記憶もないので、あるいはなにも言わなかったかもしれないが、その女の人の恰好や顔つきを見ればすべてがわかるので、私は恐しさのあまりうなされて呻吟しずにはいられない。おふくろに揺り起こされ、眼がさめても暫くはその状態から脱出することができないのである。そんなときは右手の拇指を噛むといいのだそうで、おふくろがそのたびに「噛め、噛め」と言うのだが、ふしぎなことに歯に力がはいらず、拇指を咥えたままふるえているのが番たびであった。