Japanische Klassiker mit Furigana
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さといものめとふどうのめ
里芋の芽と不動の目
Lesen Sie 里芋の芽と不動の目 (さといものめとふどうのめ) von Mori Ōgai (森 鴎外) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.494 Zeichen · 10 Bildschirme
兄きは今の戸山学校の処に押し籠められていたものだ。お袋は早く兄きが内へ帰られるようにというので、小さい不動様の掛物を柱に掛けて、その前へ線香を立てて、朝から晩まで拝んでいた。」
「そこへ兄きがひょっこり帰って来た。お袋が馬鹿に喜んで、こうして毎日拝んだ甲斐があると云って不動様の掛物の方へ指ざしをしたのだ。そうすると、兄きは妙な奴さ。ふうん、おっ母さんはこんな物を拝んだのですかと云って、ついと立って掛物の前に行って、香炉に立ててある線香を引っこ抜くのだ。己はどうするかと思って見ていたよ。そうすると、兄きは線香の燃えている尖を不動様の目の所に追っ附けて焼き抜きゃがるのだ。片っ方が焼穴になったら、また片っ方へ押っ附けて焼き抜きゃあがるのだ。とうとう両方共焼穴にしてしまやぁがった。」
「兄きは妙な奴だったよ。それ何とか云ったっけ。うん、田口卯吉というのだ。あれなんぞが友達だったのだ。旧思想の破壊というような事に、恐ろしく力瘤を入れていたのだな。不動様の罰だか、親の罰だか、知らねえが、間もなく病気になって死んじまやぁがった。」
「まあ言って見れば、Fanatiker というような人間だったのだな。