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Japanische Klassiker mit Furigana

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のざらし

野ざらし

豊島 与志雄

Lesen Sie 野ざらし (のざらし) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 19.100 Zeichen · 39 Bildschirme

Aozora Bunko

「聞くって、どんなことを? もうちゃんと分ってるじゃありませんか。」

勿論大概のことは分っていた。片山の知人の時枝という坑主が、片山の頼みで、佐伯昌作を事務員に使ってみようということになり、而も百五十円という破格の月給をくれて、なお本人の手腕によっては追々引立ててやるとのことだった。その炭坑は北九州でも可なり大きい方のもので、他に事務員も沢山居るから、初めは見習旁々遊んでいてもよいという、寛大すぎる条件までついていた。然しそういう余りに結構な事柄こそ、却って昌作を躊躇せしめたのである。

「然し私には、余りよい条件だから却って、変な気がするんです。」

「それは炭坑のことですもの、」と達子は訳なく云ってのけた、「百五十円やそこいら出して一人の人を遊ばしといたって、何でもないんでしょう。それに、時枝さんの方では、片山からの頼みだから、片山のお父さんへの恩返しって気持もあるのでしょうから。」

「一体、九州の直方って、どんな土地でしょう?」

「そりゃあ君、山があって、そして朱欒という大きな蜜柑が出来る処さ。」と突然禎輔は冗談のように云った。「僕も一度あの朱欒のなってる所を見たい気がするね。