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Japanische Klassiker mit Furigana

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のざらし

野ざらし

豊島 与志雄

Lesen Sie 野ざらし (のざらし) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 19.100 Zeichen · 39 Bildschirme

Aozora Bunko

そうです、私は行くのが本当だと知っていながら、行かずに済むような口実が欲しかったのです。いやそればかりじゃありません。九州というのが余り思いがけない土地だったものですから、淋しさの余りに、或るものに縋りついたのかも知れません。九州と聞いて、実際島流しにでも逢ったような気がして、闇の中へでもはいって行くような気がして、そのために光が欲しくなったのかも知れません。いえ、それよりも寧ろ、前からその光を受けていたのが、突然はっきりしてきたのかも知れません。……と云うよりやはり……。」

云いかけて彼は急に口を噤んで、暫く室の隅を見つめた。それから一変して、半ば皮肉な半ば自嘲的な調子になった。

「もう止しましょう。そんな詮議立てをしても無益ですから。どっちだって同じことです。兎に角私は今、率直に云えば、或る女に心を惹かされているんです。その気持の上の引掛りが取れるまで、もう四五日、返事を待って下さいませんか。」

「じゃあ、あなたはやっぱり……。」と達子は叫んだ。

が昌作は云ってしまってから、非常に不快な気持になった。何故だか自分にも分らなかった。もう何にも云いたくなかった。