Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ななこ

野菊の墓

伊藤 左千夫

Lesen Sie 野菊の墓 (ななこ) von 伊藤 左千夫 (いとうさちお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 71.271 Zeichen · 144 Bildschirme

Aozora Bunko

「もっとも家じゅう一生懸命にとりもって、おとよさんを置こうとしているらしい。それでもこの節はおとよさんのきげんがとり切れないちゅう話だ。いてもらおうと思う方がよっぽど無理だ」

おはまは喉のつまったような声をして突然、

「おとよさんがいなくなったらわたしゃどうしよう」

「おとよさんはいなくなりゃしないよ。なにがいなくなるもんか。ただ話だわ」

「そうかしら」

兄のおとよさんをほめようはおもしろい。

「おらアおとよさん大好きさ。あの人は村の若い女のよい手本だ。おとよさんは仕事姿がえいからそれがえいのだ。おらアもう長着で羽織など引っ掛けてぶらぶらするのは大きらいだ。染めぬいた紺の絣に友禅の帯などを惜しげもなくしめてきりっと締まった、あの姿で手のさえるような仕事ぶり、ほんとに見ていても気が晴々する。なんでも人は仕事が大事なのだから、若いものは仕事に見えするのはえいこった。休日などにべたくさ造りちらかすのはおらア大きらい。はま公もおとよさん好きだっけなア。まねろまねろ。仕事もおとよさんのように達者でなけゃだめだなア」

「や、これや旦那はえいことをいわっしゃった。おはまさんは何でも旦那に帯でも着物でもどしどし買ってもらうんだよ」