Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
のぎくのはか
野菊の墓
伊藤 左千夫
Lesen Sie 野菊の墓 (のぎくのはか) von 伊藤 左千夫 (いとうさちお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 33.539 Zeichen · 67 Bildschirme
痩せぎすであったけれども顔は丸い方で、透き徹るほど白い皮膚に紅味をおんだ、誠に光沢の好い児であった。いつでも活々として元気がよく、その癖気は弱くて憎気の少しもない児であった。
勿論僕とは大の仲好しで、座敷を掃くと云っては僕の所をのぞく、障子をはたくと云っては僕の座敷へ這入ってくる、私も本が読みたいの手習がしたいのと云う、たまにはハタキの柄で僕の背中を突いたり、僕の耳を摘まんだりして逃げてゆく。僕も民子の姿を見れば来い来いと云うて二人で遊ぶのが何より面白かった。
母からいつでも叱られる。
「また民やは政の所へ這入ってるナ。コラァさっさと掃除をやってしまえ。これからは政の読書の邪魔などしてはいけません。民やは年上の癖に……」
などと頻りに小言を云うけれど、その実母も民子をば非常に可愛がって居るのだから、一向に小言がきかない。私にも少し手習をさして……などと時々民子はだだをいう。そういう時の母の小言もきまっている。
「お前は手習よか裁縫です。着物が満足に縫えなくては女一人前として嫁にゆかれません」
この頃僕に一点の邪念が無かったは勿論であれど、民子の方にも、いやな考えなどは少しも無かったに相違ない。