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Japanische Klassiker mit Furigana

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かわぐちこ

野菊の墓他六篇

伊藤 左千夫

Lesen Sie 野菊の墓他六篇 (かわぐちこ) von 伊藤 左千夫 (いとうさちお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 30.105 Zeichen · 61 Bildschirme

Aozora Bunko

屠手はうるさいともいわず、その牛を先にやってしまった。鳴きかけた声を半分にして母牛はおれてしまう。最も手こずったのは大きな牡牛であった。牧夫ふたりがようやく引き出してきても、いくらかあたりの光景に気が立ったとみえ、どうかすると荒れ出そうとして牧夫を引きずりまわすのであった。屠手は進んで自分から相当の位置を作りつつ、すばやく一撃を加えた。今まで荒れそうにしていた大きい牡牛も、土手を倒したようにころがってしまった。警官や人夫やしばしば実行して来た人たちと見えて、牛を殺すなどは何とも思わぬらしい。あえて見るふうもなくむだ話をしている。

僕はむしろ惨状見るにたえないから、とうに出てしまおうとしたのだけれど、主人の顔に対して暇を告げるのが気の毒でたまらず、躊躇しながら全部の撲殺を見てしまった。評価には一時四十分間かかったが、屠殺は一時二十分間で終わってしまった。無愛想な屠手は手数料を受け取るや、話一つせずさっさと帰って行った。警官らはこれからが仕事だといって騒いでいる。牛はことごとく完全に消毒的手配をして火葬場へ運ぶのである。牛舎はむろん大々的消毒をせねばならぬ。