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Japanische Klassiker mit Furigana

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きんごじゅうりょう

金五十両

山本 周五郎

Lesen Sie 金五十両 (きんごじゅうりょう) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.843 Zeichen · 23 Bildschirme

Aozora Bunko

宗吉はすっかり蒼くなった顔に、歪んだどす黒い嘲笑を浮べながらこう結んだ。

「……世の中に本当のものなんぞ有りあしねえ、騙りや盗みや詐欺が勝つんだ、それができない人間は阿呆のように酔うか、死んじまうより他に手はねえ、それでおれは、こうして旅へ出た、のたれ死をするまでの旅へさ、たいしたこたあねえ」

「そして此処まで辿り着いて、どうやら先がみえてきたというわけね」

お滝は自分の盃へ手酌で注ぎ、しずかに飲みながら男を見た。

「それともこれからさきは物乞いでもしてゆく積りですか」

「どんな積りがあるものか、食逃げでこの家から番所へ突出されたら出るまで、牢へ叩き込まれたら入っているまで、縛り首でも島流しでも御意のままさ、どうせどっちへ転んだって」

「たいしたことはない……というんでしょう、仰しゃるとおりだわ、あたしのような者が意見がましいことを云ってもしようがないし、口先の慰めなんか三文の値打もないでしょう、だからなんにも云いません、けれど、……」

お滝はこう云いながらそこへ紙に包んだ物を差出した。

「その代り貴方も文句なしに是れを取って下さい、そして明日の朝になったら宿賃を払って、きれいに此処から立っていって下さい」