Japanische Klassiker mit Furigana
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きんぞくにんげん
金属人間
海野 十三
Lesen Sie 金属人間 (きんぞくにんげん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 78.616 Zeichen · 157 Bildschirme
その手にはべっとり血がついていた。同僚たちは、みんな見た。田口の顔の半分がまっ赤にそまったのを。
川内警部の負傷といい、今また田口の負傷といい、まるでいいあわせたように、同じ時に同じような傷ができるとは、どうしたわけであろうか。
「やっぱり、そうだ。するどい刃物でやられている。きみは、自分のほおを斬られたのに、そのとき気がつかなかったのかい」
「さっぱり気がつきませんでした」
「のんきだねえ、きみは……」
検事があきれ顔でそういったので、同僚たちも思わず笑った。
「今になって、ぴりぴりしますがねえ」
「いったい、どこで斬られたのかね」
「さあ、それが気がつきませんで……いやそうそう、思いだしました。さっき針目博士の室の戸口をはなれて廊下をこっちへ歩いてくるとちゅう、なんだか向うから飛んできたものがあるように思って、わたしはひょいと首を動かしてそれをよけたんですがね。しかし、なにも飛んでくる物を見なかったんです。ぱっと光ったような気がしたんですが、それだけのことです」
「きみは、どっちへ首をまげたのかい」
「左へ首をまげました」
「なるほど。首をまげなかったら、きみももっと深く顔に傷をこしらえていたかも知れないね。