Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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きんぷさん

金峰山

木暮 理太郎

Lesen Sie 金峰山 (きんぷさん) von 木暮 理太郎 (こぐれりたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.206 Zeichen · 5 Bildschirme

Aozora Bunko

一泊十七銭から二十五銭、中食五銭から十銭、草鞋二銭、雑費五銭、合せて三十銭乃至四十銭で旅の一日が過せる、二十円あれば優に四十日は歩けるので大威張だ。

私の山旅は、槍ヶ岳を除いて予定通り順調に進んだ。甲斐駒を下る時には、屏風岩の小屋の主人が食糧の買入れに下山したので、朝食に握飯一つを食べたきりで、ヒョロヒョロになって台ヶ原に辿り着いた。翌日は昨日の疲れと、韮崎から睦沢へ出る道を誤って大迂廻した為とで、御岳へ着いたのは午後二時頃であった。もう御室まで日のある中には行けないと聞いたので、まだ早いが大黒屋に草鞋を脱いだ。

明くれば八月二十一日、十人余りの講中と同行するのが嫌さに、夜の白むのを待ちかねて出発する。楢峠の長い登りを終えて、唐松峠の薄暗い森林にさしかかると、一しきり驟雨が襲って来た。暢気に蝙蝠傘をさして御室に着いたのは九時頃であったろう、小屋の主人は、蝙蝠傘をさして来た人はこれで二度目だと言って珍しがっていた。

正午までには楽に頂上に着けると小屋の主人がいうので、雨の霽れたのを幸に、安心して岩の梯子を上るような急な登りにかかった。喬木帯を抜けて大きな岩の上に立つと、行手の空に突兀と五丈石が見上げられた。