Japanische Klassiker mit Furigana
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きんろう
金狼
久生 十蘭
Lesen Sie 金狼 (きんろう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 89.438 Zeichen · 179 Bildschirme
……どうも、ひどい目にあわせやがった」
すると、西貝はせせら笑って、
「……ふん、そうか。それなら、ま、仕様がなかろう。……いずれ一度はやられるんだ。因果応報だと思ってあきらめるさ。……しかし、妙な面になったねえ、歪んでるぜ」
乾は大げさに額をおさえながら、
「……どうも頭の芯が痛んでならない。顔なんぞどうでもいいが、一時はだいぶ物騒でしたよ。匕首なんかひけらかしゃがってねえ。(と、いって、あとは独語のように)ふ、ふ、ああいう風に向っ腹をたてるところを見ると、やはりあいつが殺ったのじゃなかったかも知れん」
西貝は、どたりと机の上へ両足をのせながら、
「……あの勢いなら絲満ぐらい殺りかねないじゃないか。……しかし、案外あれで堅気なのかな。……いや、そんなことはあるまい。この二三年、絲満などと悪く仲間になってたそうだから、なんだかわかったもんじゃないさ。……それに五人のなかじゃ、なんといっても、あいつだけが絲満の地理に明るかったのだからな。……すると、今日は貴公の口をひっ撲きにきたのかな」
乾はうるさく肯きながら、
「そうそう、あたしもそう思ってるんです。……だがねえ、脅かしてあたしの口を塞ごうたって、そううまくゆきやしない。