Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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きんぎょ

金魚

豊島 与志雄

Lesen Sie 金魚 (きんぎょ) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.765 Zeichen · 8 Bildschirme

Aozora Bunko

彼は竜金の池に目をつけた。尾が大きく色がよくて、それが一番立派そうだった。お上さんを呼んで、「四五匹下さい、」と云った。

多くの群の中から、望みのものを選り出さなければならなかった。これと目星をつけて、白い鉢の中に掬い上げて買うと、それより他のものの方が立派なように思われた。他のを掬い上げて貰うと、更に立派なものが出てきた。彼は何度も選定を変えた。

「此処に居るのでお気に召さなければ、」とお上さんは云った、「上等のを二三日のうちに取り寄せてあげましょう。これでも上等の部ですが、お望みではどんなのでもありますから。」

彼はすっかりまごついてしまった。「これでよござんす、」と答えながらも、自分の選んだのが一番悪いもののような気がしてきた。尾が歪んでいたり、赤の工合が面白くなかったりした。彼は苛々してきた。そしてなお二三度選み直した後に、それで諦めた。

容器の問題になって、彼は更に困った。硝子の容器なら、そしてその家に在る一番大きな容器でも、二匹が精一杯だそうだった。彼は折角選んだ五匹の中から、更に二匹を選まなければならなかった。

硝子の容器に金魚を二匹入れ、上から新聞紙で包み、それを紐でぶら下げ、三円七十銭という驚いた価を払って、金魚屋から出てきた時、彼は陰鬱な気分に閉されてしまっていた。