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Japanische Klassiker mit Furigana

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きんぎょりょうらん

金魚撩乱

岡本 かの子

Lesen Sie 金魚撩乱 (きんぎょりょうらん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 33.999 Zeichen · 67 Bildschirme

Aozora Bunko

眉だけは時代風に濃く描いていた。復一はもう伏目勝になって、気合い負けを感じ、寂しく孤独の殻の中に引込まねばならなかった。

「しばらく、ずいぶん痩せたわね」

しかし、彼女は云うほど復一を丁寧に観察したのでもなかった。

「ええ。苦労しましたからね」

「そう。でも苦労するのは薬ですってよ」

それからしばらく話は地震のことや、復一のいた湖の話に外れた。

「金魚、いいの出来た?」

これに返事することは、今のところいろいろの事情から、復一には困難だった。勇気を起して復一は逆襲した。

「お婿さん、どうです」

「別に」

彼女はちょっと窓から、母屋の縁外の木の茂みを覗って

「いま、いないのよ。バスケットボールが好きで、YMCAへ行って、お夕飯ぎりぎりでなきゃ帰って来ないの、ほほほ」

子供のように夫を見做しているような彼女の口振りに、夫を愛していないとも受取れない判断を下すことは、復一に取ってとても苦痛だった。進んで子供のことなぞ訊けなかった。

「ご紹介してもあなたには興味のないらしい人よ」

それは本当だと思った。自分の偶像であるこの女を欠き砕かない夫ならそれで充分としなければならない。