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Japanische Klassiker mit Furigana

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くぎぬきとうきちとりものおぼえがき

釘抜藤吉捕物覚書

林 不忘

Lesen Sie 釘抜藤吉捕物覚書 (くぎぬきとうきちとりものおぼえがき) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 19.251 Zeichen · 39 Bildschirme

Aozora Bunko

、高座を下りると同時に、ここにこうして死んだのも言いようのない不思議ではあったが、これはもちろん、単なる偶然に過ぎないので、しかしそれを、藤吉のにらみに帰して、親分の眼はこうまできくのかと、薄気味悪く呆気に取られているところに、とむらい彦兵衛の藤吉に対する信頼と誇りが見られるのだった。

藤吉は、すこし間がわるい。内心笑いながら、さながら言い当てたように、彦兵衛の顔を大得意に見せているのである。

が、いつしか彼も、そんなことで呑気に構えてはいられなくなった。

二二んが四、二三が六――これならなんでもないが、この武右衛門の死は、二二んが五、二三が七でもあり、八でもあろうという、異中の異である。理外の理である。

釘抜藤吉も、とくと思案しなければならなかった。

思案に落ちると、かれは爪を噛む習癖がある。

で、いま藤吉は、こうしてしきりに爪を噛んでいるのだ。

六

高座からは、梅の家連の踊りの足ぶみ、手拍子が、お囃しの音とともに、賑やかに聞こえて来ている。

四、五人が、細い廊下に重なり合って武右衛門の屍骸を覗き込んで、みな集っていた。

戸外は、初夏の夜の霧雨が、濃くなって行くらしい。