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Japanische Klassiker mit Furigana

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くぎぬきとうきちとりものおぼえがき

釘抜藤吉捕物覚書

林 不忘

Lesen Sie 釘抜藤吉捕物覚書 (くぎぬきとうきちとりものおぼえがき) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 19.251 Zeichen · 39 Bildschirme

Aozora Bunko

紋之助は、うつむいて小さな声だった。

「おこよを弄ちゃにしようとして、狙っている様子でしたから、いっそのことと思って――。」

藤吉が、気の毒そうな表情になったとき、人々のうしろから太い声がして、

「しかし、人形が首に糸を巻いたぐらいで死んだのは――藤吉親分のまえだが、わたしは、こう思いますね。ぼんやり歩いているところへ、くび筋に変な物が下りて来て、うしろから抱きつかれたんではっとした。とたんに、咽喉へ紐が来たんで、あわてて取ろうとする。なかなか人形の力なんかで、あの力持ちが死ぬわけはない。これは、驚いていた拍子に、われとわが大力で自分の首を締めつけて呼吸がとまったんでごわすから、たまげたのと、除ろうとする腕力のはずみとで、ねえ、親分、武右衛門さんは、結局、自滅ということになりゃあしませんかい。どうもわたしは、そんな気がしてならねえんだが――。」

いま楽屋入りして、騒動を聞いたばかりの、真打ちの軍談師伯朝だった。

古今の名人竹久紋之助を、その純情の罪から救いたい一心で、哀願が、伯朝の顔いっぱいに書かれてあった。

これが、藤吉にも、何とかして助けたいと、ひそかに望んでいた機会となったに相違ない。