Japanische Klassiker mit Furigana
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くぎぬきとうきちとりものおぼえがき
釘抜藤吉捕物覚書
林 不忘
Lesen Sie 釘抜藤吉捕物覚書 (くぎぬきとうきちとりものおぼえがき) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 19.251 Zeichen · 39 Bildschirme
「親分、お眠そうじゃあごわせんか。帰りやしょうか。」
「なあに――。」
「円枝は、若えから無理もねえが、小うるせえ話しぶりでごぜえますね。」
「そうかの。」
円枝が引っ込むと、一渡り鳴物がざわめいて、評判の五人力、越後上りの大石武右衛門というのが、現れた。
葬式彦は、自分が紙屑のような、貧弱な体格の所有主なので、大男だの力持ちなどというと、人一倍興味を感ずるものとみえる。すぐに長い頸を伸ばして、高座に見入り出した。
普通人の掌ほどの紋のついた、柿色の肩衣みたいなものを着て、高座いっぱいに見えるほど、山のように控えているのが、武右衛門である。が、この第一印象が去ってから、よく眺めると、角力のちょっと大きいぐらいのもので、からだそれ自身は、そんなに驚くに当らないのだった。
「武右衛門え、江戸見物に出て来ねえか、ちゅうことで、おう、見物させてくれるなら、行くべえ。なあんて、突ん出て来たのが、お前さま、江戸さ来てみたら、ああに、見物するでねえだ。見物されるだ――。」
こんな口上を述べて笑わせながら、肩衣を撥ねる。着物の袖を滑らす。肌脱ぎになった。
なるほど、見事な筋肉である。