Japanische Klassiker mit Furigana
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くぎぬきとうきちとりものおぼえがき
釘抜藤吉捕物覚書
林 不忘
Lesen Sie 釘抜藤吉捕物覚書 (くぎぬきとうきちとりものおぼえがき) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.907 Zeichen · 32 Bildschirme
面白えから付いて来なせえ。」
おろおろしている宇之吉初太郎の両人を、六尺近い腕力家の勘弁勘次に守らせ、それに、今すぐ謎の下手人のわかると聞いて勇みと憎悪に顔色を蒼くしながら欣ばし気にいそいそ起って来る文字若――四人を伴れて、藤吉は、その真下の初太郎の部屋へ降りて来た。
部屋へはいると同時に、急な変化が藤吉の態度に現れた。その釘抜のような脚で大股に、かれは縁の外側の敷居――雨戸の敷居――の戸袋寄りのところ、ゆうべ初太郎がそこを開けてお美野の死体が宙乗りしているのを見たという、その一枚分の敷居へ、つかつかと進むと、もう藤吉は、一分前とは別人のように、笑いの影など顔のどこにも見られなかった。
四人の眼前で、藤吉、不思議なことをはじめている。
最初は指で、敷居の縁をしきりにこすって見ている。
つぎに、敷居のそばにぴったり坐り込んで、今度はふところから一、二枚の懐紙を取り出してそれで縁を拭き出したのだ。
何がなんだかわけがわからないで、四人はぼんやり凝視めていると敷居の縁を拭いた紙が黄色く染まって光っているのを、藤吉はとみこう見したのち鼻へ持って行って、
「ふむ、胡麻だな――。