Japanische Klassiker mit Furigana
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くぎぬきとうきちとりものおぼえがき
釘抜藤吉捕物覚書
林 不忘
Lesen Sie 釘抜藤吉捕物覚書 (くぎぬきとうきちとりものおぼえがき) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.907 Zeichen · 32 Bildschirme
「くでえや! 足袋を脱げ!」
「あっしゃあこのとおり、初めから足袋なんか穿いていやせんが、」宇之吉はまごまごしながら、「この素足を、いってえどうするんでごぜえます。」
「まあ、待っていなせえ――おう、師匠、ついでだ。お前の足も一つ拝ませてもらおうじゃあねえか。」
「ひょんな親分さん! こんな汚ない足でおよろしければ、お安い御用でございますよ。いくらでも御覧なすって――。」
「どうしてどうして、勘の言い草じゃあねえが、弁財天といわれる師匠の足だ。めったに拝見できるもんじゃあねえ。これも岡っ引の役徳で、稼業冥利よなあ、師匠。」
「あれ、あんなことを。たんとお弄いなさいましよ。」
裾を押さえてしゃがんだ文字若は、恥るように笑いながら、足袋を脱いだ。初太郎も、先に足袋を脱いで控えている。
藤吉は黙って、自分の前を示した。
「三人並んで、ここへ足を投げ出しておくんなせえ。おいらあちょっと考えることがあって、足の裏を見てえんだ。」
八
文字若を中に、初太郎と宇之吉が左右に、三人は言われるとおり畳に腰を下ろして、行儀の悪い子供のように、素足を揃えて長く藤吉の方へ突き出した。