Japanische Klassiker mit Furigana
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くぎぬきとうきちとりものおぼえがき
釘抜藤吉捕物覚書
林 不忘
Lesen Sie 釘抜藤吉捕物覚書 (くぎぬきとうきちとりものおぼえがき) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.598 Zeichen · 26 Bildschirme
が、掘じくるまではなかった。何か出て来るかもしれないと勘次が上部へ指を入れると、触った物があるから引き出した。紫縮緬女持の香袋、吾妻屋の縫がしてある。
「堅気じゃねえな。」
にやりとした藤吉、に組に首を持たしてひとまず番所へ預けにやった後、殻を払った香袋を懐中にして、また桔梗屋へはいって行き、事納に竿の代りに青竹を立てた仔細を胡散臭く白眼んだらしく、それとなく訊き質してみたが、ただこの家の吉例だとのこと。
弥造を肩へ立てて、藤吉、勘次を引具して店について裏へ廻った。
何人とも解らない首が縁もゆかりもない家の軒に懸っていた。こんなことがあり得ようか。
顔を滅多斬りにしたのは果して遺恨だけか、または首の身許の知れるのを懼れてか。
竹を外し、笊を取り、首を刺してまた竹を立てておいたものであろうが、それなら、その笊はどこにある? 首のない屍骸はどうした? ここで斬ったのか、外から持って来たものか。吾妻屋とある香袋は、首の主と引っ懸りがあるか。庇の下で細工をする時、犯人の身内からずれて紫殻の中へ落ち込んだのか、あるいは故意と隠したのか。いたずらか、脅しか、恨みか。