Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
くぎぬきとうきちとりものおぼえがき
釘抜藤吉捕物覚書
林 不忘
Lesen Sie 釘抜藤吉捕物覚書 (くぎぬきとうきちとりものおぼえがき) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.598 Zeichen · 26 Bildschirme
「ほしゃあお前、勘の前だが、日が暮れりゃあ出べえさ。」
と突っ放すように言い捨てたが、ちょっと真顔になって、「勘、お糸は?」
「あい、まだおりきの家に。」
「そうけえ。」と藤吉は眼を閉って、「俺らあ一寝入りやらかすとしょう。こうっ、四つ打ったら起してくんな。そいから何だぞ野郎ども、好えか、その時雁首揃えて待ってろよ――。」
四
夜に入って冴え渡った寒空、濃い闇黒が街を一彩に刷き潰して、晴夜とともに一入の寒気、降るようにとまでは往かなくとも、星屑が銀砂子を撒き散らしたよう、蒼白い光が漂ってはいるが地上へは届かないから、中天に霞んで下は烏羽玉。そんなような千夜のうちの一夜だった。
四つ半ごろ、岡崎町の桔梗屋の表戸を偸むようにほとほとと叩く者があった。店をしまっていた弥吉が細目に潜りを開けて見ると、雲突くばかりの大男が頬冠りをして立っていた。が見かけによらず声は優しかった。言うところを聴くと、采女の馬場おりきさんの家で当家のお糸さまが腹痛で苦しんでいる。男手がないから頼まれて来たのだが、誰かひとりしっかりした人に迎えに来てもらいたいという。
乳母おりきは暇を取って一軒持った後までもしげしげ桔梗屋へ出入りを続けていたし、お糸とは気心も合うかして、母親のない淋しさからお糸がおりき方に寝泊りして来ることも珍しく