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Japanische Klassiker mit Furigana

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てつのきりつ

鉄の規律

平林 初之輔

Lesen Sie 鉄の規律 (てつのきりつ) von 平林 初之輔 (ひらばやしはつのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.016 Zeichen · 30 Bildschirme

Aozora Bunko

彼は東亜局長の次男で、一年前から情報部に勤務している真面目で、快活な青年だった。

「昨日の記者倶楽部との試合はなっとらなんだじゃないか」彼は息子の顔を見ると、いきなり愉快そうに言った。「お前のピッチングもあれじゃだめだ。誰か代わりはなかったんか。四球を十六も出すなんて。曲球がちっともはいらんじゃないか、五寸もプレートからはなれてるんだから、どんなにアンパイアが同情したって、あれじゃ、ストライクにゃできんからのう……」

局長は忙しいと言いながら、暢気そうに長々と野球の話をはじめるので、勝男の方がはらはらしたくらいだった。

「実は、お父さん、家に大事な忘れものをしたんで、ちょっと自動車を拝借したいんですがね」

「そりゃいかん、局では、お前は我が輩の忰じゃなくて、一介の属吏じゃからなあ。局長の車を属吏に使用させるわけにゃいかん。急ぐなら円タクを呼べばいいだろう」

「一生に一度だけ局長の乗り物にのっかってみたいんですよ。お父さんの使いだということにしてくださりゃかまわないでしょう」

局長はこの答えが気に入ったものと見えて、ちょっと考えてから、大きく笑いながら言った。