Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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てつめんぴ

鉄面皮

太宰 治

Lesen Sie 鉄面皮 (てつめんぴ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.323 Zeichen · 22 Bildschirme

Aozora Bunko

この説に就いては、なお長年月をかけて考えてみたいと思っているが、小説家というものは恥知らずの愚者だという事だけは、考えるまでもなく、まず決定的なものらしい。昨年の暮に故郷の老母が死んだので、私は十年振りに帰郷して、その時、故郷の長兄に、死ぬまで駄目だと思え、と大声叱咤されて、一つ、ものを覚えた次第であるが、

「兄さん、」と私はいやになれなれしく、「僕はいまは、まるで、てんで駄目だけれども、でも、もう五年、いや十年かな、十年くらい経ったら何か一つ兄さんに、うむと首肯させるくらいのものが書けるような気がするんだけど。」

兄は眼を丸くして、

「お前は、よその人にもそんなばかな事を言っているのか。よしてくれよ。いい恥さらしだ。一生お前は駄目なんだ。どうしたって駄目なんだ。五年? 十年? 俺にうむと言わせたいなんて、やめろ、やめろ、お前はまあ、なんという馬鹿な事を考えているんだ。死ぬまで駄目さ。きまっているんだ。よく覚えて置けよ。」

「だって、」何が、だってだ、そんなに強く叱咤されても、一向に感じないみたいにニタニタと醜怪に笑って、さながら、蹴られた足にまたも縋りつく婦女子の如く、「それでは希望が無くなりますもの。