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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぎんさんじゅうまい

銀三十枚

国枝 史郎

Lesen Sie 銀三十枚 (ぎんさんじゅうまい) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 35.863 Zeichen · 73 Bildschirme

Aozora Bunko

「貴郎、ペテンに掛かったのよ。ええそうとしか思われないわ。でもどうしてこんなペテンに? いいえさ佐伯とかいう大詐欺師が、どうしてこんな変なペテンに、引っかけなければならなかったんでしょう? 儲かることでもないのにね。かえって大変な損をするのに。これには奥底があるんだわ。そうとしきゃア思われないわ。恐いわねえ、どうしましょう。返していらっしゃいよ、さあ直ぐに」

「莫迦め!」と私はまた呶鳴った。

「牢屋へ持ってって返せってのか」

「では貴郎には手が着かないのね?」

にわかに彼女は冷静になった。

「妾にお委せなさいまし」

「で、お前はどうするつもりだい?」

「貴郎それをお聞きになりたいの? では自分でなさるがいいわ」

彼女は再び揶揄的になった。

「だってそうじゃアありませんか、一切妾に委されないなら」

「だが俺には手が出ないよ」

「お書きなさいまし、原稿をね」

それは歌うような調子であった。

「そうして何にも思わないがいいわ。食い付きなさいまし、お仕事にね。貴郎は可愛いお馬鹿ちゃんよ。組織立ったことをさせるのは、それは無理と云うものよ。お信じなさいまし、妾をね」

私は彼女へ委せてしまった。