Japanische Klassiker mit Furigana
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どうせんかいじへん
銅銭会事変 短編
国枝 史郎
Lesen Sie 銅銭会事変 短編 (どうせんかいじへん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 106.745 Zeichen · 216 Bildschirme
魂を奪われた専斎が家人を引き連れ呆々の態で、自分の邸へ引き上げたのは、まさにもっともの事であるがその後ろ姿を見送ると、さすがに気の毒に思ったか、ニヤリ紋太郎は苦笑した。
「これは少々嚇しすぎたかな。いやいや時にはやった方がいい。陽明学の活法じゃ」
……で、クルリと身を飜し自分の部屋へはいって行った。
貧乏神の姿が見えない。
「おやおやいつの間にか立ち去ったと見える」
用人三右衛門がはいって来た。
「おお三右衛、聞くことがある。貧乏神はどこへ行かれたな?」
「へ? 何でございますかな?」
「ここにおられたお客様だ」
「ああそのお方でござりますか。さっきお帰りになられました。綺麗な小粋な若いお方で」
「え? なんだって? 若い方だって?」
「はいさようでございますよ」
秘密の端緒をようやく発見
「いいや違う。穢い老人だ」
「何を旦那様おっしゃることやら。ええとそれからそのお方がこういうものを置いてゆかれました。旦那様へ上げろとおっしゃいましてね」
云い云い三右衛門の取り出したのは美しい一枚の役者絵であった。すなわち蝶香楼国貞筆、勝頼に扮した坂東三津太郎……実にその人の似顔絵であった。