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Japanische Klassiker mit Furigana

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どうせんかいじへん

銅銭会事変 短編

国枝 史郎

Lesen Sie 銅銭会事変 短編 (どうせんかいじへん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 106.745 Zeichen · 216 Bildschirme

Aozora Bunko

「ははあこれが吹矢筒で? いやこれをご所持の上は何んの疑がいがございましょうぞ」

こういっている時一団の人数が粛々と此方へ近寄って来たが、それと見て与力や同心が颯っと下がって頭を下げたのは高い身分のお方なのであろう。

「変わったことでもあったかの?」

こういいながら一人の武士が群れを離れて近寄って来た。どうやら一団の主人公らしい。

「は」といったのは与力の松倉で、「殿にもご承知でござりましょうが、藪紋太郎殿道に迷われた由にてこの辺を彷徨いおられましたれば……」

「ああこれこれ、その藪殿、どこにおられるな、どこにおられるな?」

そういう声音に聞き覚えがあったので、

「ここにおります。……拙者藪紋太郎……」

「おお藪殿か。私は和泉じゃ」

「おおそれでは南お町奉行筒井和泉守様でござりましたか」

「藪殿、道に迷われたそうで」

「道に迷いましてござります」

「よい時道に迷われた。藪殿、よいものが見られますぞ。アハハハ」

と和泉守、何と思ったか笑ったものである。

諸侯の乗り物陸続として来たる

和泉守と紋太郎とは役向きの相違知行の高下から、日頃交際はしていなかったが、顔は絶えず合わせていた。