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Japanische Klassiker mit Furigana

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どうせんかいじへん

銅銭会事変 短編

国枝 史郎

Lesen Sie 銅銭会事変 短編 (どうせんかいじへん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 106.745 Zeichen · 216 Bildschirme

Aozora Bunko

「表門の方へ」

といいすてると和泉守は歩き出した、一同その後について行く。

榎木の蔭に佇んで表門の方を眺めているとギーと門が八文字に開いた。タッタッタッタッと駕籠を守って無数の同勢が現われたが、毛利侯を真っ先に二十一頭の大名が写山楼を出るのであった。

再び闇の空地を通い諸侯の駕籠の町に去った後の、写山楼の寂しさは、それこそ本当に化物屋敷のようで、見ているのさえ気味が悪かった。

「もう済んだ」

と呟くと和泉守は合図をした。いわゆる引き上げの合図でもあろう、手に持っていた龕燈を空へ颯と向けたのである。それと同時に物の蔭からむらむらと人影が現われたが、人数およそ百人余り、悉く与力と同心であった。

「藪氏」

と和泉守は声をかけた。「おさらばでござる。いずれ殿中で……」

「は」

といったが紋太郎はどういってよいかまごついた。

「あまり道など迷われぬがよい。アッハハハお帰りなされ」

いい捨て部下を引き連れると町の方へ引き上げて行った。

後を見送った紋太郎はいよいよ益※(二の字点、1-2-22)とほんとして茫然せざるを得なかった。

「これはこれは何という晩だ! これはこれは何ということだ!」