Japanische Klassiker mit Furigana
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どうせんかいじへん
銅銭会事変 短編
国枝 史郎
Lesen Sie 銅銭会事変 短編 (どうせんかいじへん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 106.745 Zeichen · 216 Bildschirme
ここは金龍山瓦町で、障子を開けると縁側越しに隅田川が流れている。
ぽかぽか暖かい小六月、十二月十二日とは思われない。
ははアさては成田屋め俺を抱き込みに来おったな。――こう三津五郎は思ったが別に腹も立たなかった。「これはいかさま成田屋としては『暫』を出しても見たいだろう。文政元年十一月に親父白猿の十三回忌に碓氷甚太郎定光で例の連詞を述べたまま久しくお蔵になっていたのだからな。その連詞が問題となり鼻高の幸四郎がお冠を曲げえらい騒ぎになりかけたものだ。なるほど、それを持ち出して上覧に入れようということになるとまたみんな大いに騒ぐかもしれない。しかし成田屋は父にも勝る珍らしい近世の名人だ。利己主義とそして贅沢が疵と云えば、大いに疵であるが大眼に見られないこともない。……それに俺とはばかに懇意だ。抱き込まれてもいいじゃないか」――悧巧者の三津五郎は、早くもここへ気が付いた。
三津太郎の噂
「ナーニ私は諾と云います。がどうでしょう幸四郎が?」
「なあにあなたさえ諾と云ったらそこは日頃の仁徳です、誰が何んと云いますものか」
「さあそれならこれは決まった。ところで後の出し物は?」