Japanische Klassiker mit Furigana
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どうせんかいじへん
銅銭会事変 短編
国枝 史郎
Lesen Sie 銅銭会事変 短編 (どうせんかいじへん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 106.745 Zeichen · 216 Bildschirme
その部屋もやはり暗かった。十畳あまりの部屋らしかった。隣室と仕切った襖があった。その襖をソロソロと開けた。燈火がなくて暗かった。全体が手広い屋敷らしかった。しかも人影は皆無であった。どの部屋にも燈火がなかった。一つの部屋の障子を開けた。そこに一筋の廻廊があった。その突きあたりに別軒があった。離れ座敷に相違ない。廻廊伝いにそっちへ行った。雨戸がピッタリ締まっていた。その雨戸をそっと開けた。仄明るい十畳の部屋があった。隣り部屋から漏れる燈が部屋を明るくしているのであった。弓之助はその部屋へはいった。隣り部屋の様子を窺った。やはり誰もいないらしい。思い切って襖を開けた。はたして人はいなかった。机が一脚置いてあった。そうしてその上に紙があった。紙には文字が記されてあった。
川大丁首
こう書いてあった。
「はてな、どういう意味だろう?」
で、弓之助は首を傾げた。突然ガチャンと音がした。部屋の片隅の柱の中から、鎖が一筋弧を描き弓之助の方へ飛んで来た。右手を上げて打ち払った。キリキリと手首へまきついた。「しまった!」と呻いたそのとたん、反対側の部屋の隅、そこの柱の中央から、またもや鎖が飛び出して来た。