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Japanische Klassiker mit Furigana

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どうせんかいじへん

銅銭会事変 短編

国枝 史郎

Lesen Sie 銅銭会事変 短編 (どうせんかいじへん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 106.745 Zeichen · 216 Bildschirme

Aozora Bunko

莫迦にしていらあ、何んということだ。仕方がねえから穏しくしていよう。……だがそれにしても泥棒どもは、どこに何をしているのだろう? 姿を見せないとは皮肉じゃあないか。ひどく薄っ気味が悪いなあ。これじゃあどうも喧嘩にもならねえ。……考えたって仕方がねえ。もがくとかえってひどい目を見る。おちついて待つより仕方がねえ、うんそうだ、こんな時には、何かで心を紛らせるがいい。紙に書かれた『川大丁首』よしこの意味を解いてやろう」そこで彼は考え出した。だがどうにもわからなかった。「こんな熟字ってあるものじゃねえ。川は川だし大は大さ。丁は丁だし首は首だ。音で読めば川大丁首。川大にして丁の首? こう読んだって始まらねえ。……こいつ恐らく隠語なんだろう」

依然屋敷は静かであった。

銀杏茶屋のお色は奥の部屋で、袖垣をして恋文を書いていた。まだ春の日は午前であった。店の客も少なかった。部屋の中は明るかった。春陽が丸窓へ射していた。小鳥の影が二三度映った。彼女は大分ご機嫌であった。顔の紐が解けていた。頬にこっぽりした笑靨が出来うっかり指で突こうものなら指先が嵌まり込んで抜けそうもなかった。