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Japanische Klassiker mit Furigana

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どうせんかいじへん

銅銭会事変 短編

国枝 史郎

Lesen Sie 銅銭会事変 短編 (どうせんかいじへん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 106.745 Zeichen · 216 Bildschirme

Aozora Bunko

いかさまこれでは魘されようもしれぬ。

「こいつどうぞしてマキたいものだ」

紋太郎は心中思案しながら知らない振りをして歩いて行く。

大正の今日東京市中で、社会主義者どもが刑事をマクにもなかなか手腕が入るそうである。

ここは街道の一本道。薄雪の積もった正月夕暮れ。ほとんど人通りは絶えている。なかなかマクには骨が折れる。

「おおそうだ、やり過ごしてやろう」

思案を決めると紋太郎は道側の石へ腰をおろした。それから懐中から煙管を取り出し静かに煙草をふかし出した。

貧乏神

行き過ぎるかと思いきや、その奇怪な老人はズッと側へ寄って来た。紋太郎と並んで切り株へノッソリとばかり腰かけたのである。

それからゴソゴソ懐中を探ると鉈豆煙管を取り出した。それをズッと鼻先へ出し、

「お武家様え、火をひとつ」

案に相違して紋太郎は少からず閉口したものの貸さないということも出来ないので無言で煙管を差し出した。老人はスバスバ吸い付ける。

「へい、お有難う存じます」

声までが無気味の調子である。

二人は黙って腰かけている。

「どうもこいつは驚いたな。除けても除けても着きまとって来る。まるで俺の運命のようだ」