Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
にしきぎ
錦木
宮本 百合子
Lesen Sie 錦木 (にしきぎ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 52.481 Zeichen · 103 Bildschirme
私はよけい御いとしい、たのもしい方だと思って居ります」
と云うと弟君も大層よろこんで、
「御前は若いからよく私の心も察して呉れる。彼の人の心はたのもしいとは思ってもつれない様子は恨まれる、若しお前が彼の人だったらどうする」
と云うと女は夜目にも分るほど赤いかおをして、
「存じません」
と云ってわきを向いてしまう。
「あんまり下らない事を云って仕舞ったゆるして御呉れ」
と云った光君は心の中で自分よりももっとはかない恋をした人が世の中にまたと有ろうかと思いながら、
「お前は私よりはかない恋をした人の話を知って居るかえ」
ときくと女は口ごもりながら、
「絵の中の人に恋した話や、夢に見た面影の忘れられなかった人などは世の中に多いときいたことがございます」
と云ってそっと若君のかおを見ると淋しい悲しそうな面持で、
「恋する人の心はこんなに悲しいものだろうか。私は紫の君に合うことをよろこびながら恐れて居る」
そう云ったまんま光君は静に目をつぶって居て身動きもしないので女はもうお寝になったのかとそうと立とうとすると、
「もう行ってしまうの、もうねむくなったのかえ」
と思いがけなく若君が云ったので女は中腰になりながら、