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Japanische Klassiker mit Furigana

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かぎからぬけだしたおんな

鍵から抜け出した女

海野 十三

Lesen Sie 鍵から抜け出した女 (かぎからぬけだしたおんな) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.188 Zeichen · 43 Bildschirme

Aozora Bunko

僕は衣服を軽くして、寝床に入った。尼僧は弥陀如来の前に、明りをかきあげて、静かに経を読みだした。

仮りの枕は、何が入っているのか、たいへんいい香がした。それはこの尼僧院には、およそ似つかしからぬ艶めいた香を漾わせるのだった。それとも若い女というものは、作らずしてこんな体臭をもっているのだろうか。そんなことを考えているとなかなか睡れなかった。睡るかわりに、変な夢をそれからそれへと見つづけていた。街の傍で始めてあった島田髷の女が出て来てニッコリ笑う。するとそれがいつの間にか尼僧のとりすました顔になる。すると横合いから森虎の憎々しい面がとびだす、母親が泣きながら森虎のあとを追う。すると病院の監守が、機関銃をもって追ってくる。三人の青年がそれに噛みつく。……そんな妖夢を追っているうちに、僕は疲労に負けて、いつの間にかグッスリ熟睡に落ちた。……

鍵にまつわる秘密

気がついてみると、お経の声がしている。ハッと思って、目をあけてみると、いつの間にか、障子に明るく陽がさしていた。

「しまった――」

僕はこわごわ薄目を動かして、隣の枕を見た。それはズッシリと重い頭が永く載っていたらしく真中が抉ったように引込んでいた。